世界には196ヶ国(海外領土や自治領などの地域も含めると249)あると言われていますが、その中で失業率が高い国のランキングをご紹介します。
ランキングを見る前にまずは世界で失業率が高い国トップ10を予想してみてください!
今回の統計データでは、原則15歳以上の求職活動をしている失業者が該当しており、就業意思がない人や専業主婦、学生などは労働力人口に含んでいません。
前回の記事の「失業者数ランキング」では人口の多い国が上位に来る傾向がありましたが、今回は失業率であるため、同様な結果にはならないはずです。
世界の人口や労働力人口、失業者数などに関する統計ランキングについては下記記事でも紹介していますので参考にしてみてください↓
・【世界の人口ランキング】人口の多い国と少ない国トップ10!日本は何位?
また統計データは2020年のものであるため、新型コロナウィルスの影響が出始めている時期です。
基本的に失業率が高い国は発展途上国に多いイメージがありますが、果たして上位の国はどういう国々がランクインしているでしょうか?
世界で失業率が高い国トップ10
ランキング | 国名 | 失業率(%) |
1位 | 南アフリカ共和国 | 29.22 |
2位 | ジブチ | 28.39 |
3位 | パレスチナ | 25.89 |
4位 | エスワティニ(スワジランド) | 25.51 |
5位 | ボツワナ | 24.93 |
6位 | レソト | 24.56 |
7位 | コンゴ共和国 | 22.84 |
8位 | ガボン | 21.97 |
9位 | ナミビア | 21.45 |
10位 | アルメニア | 21.21 |
出典1:ILO(International Labour Organization)
出典2:GLOBAL NOTE
(※2020年データ)
世界で失業率が高い国1位は南アフリカ共和国です。
南アフリカ共和国は日本人の私たちにとってはあまり馴染みがない国かもしれませんが、サッカーのワールドカップが開催されたり、アフリカの中では先進国のイメージを持っている方も多いかもしれません。
南アフリカ共和国は1994年にアパルトヘイトが撤廃されましたが、現在においても黒人や若年層の失業率が高く、その背景には教育制度が不十分なことや、労使関係、社会保障の問題点などが挙げられます。
上位の国はアフリカ諸国が中心
2位~10位の国をみてみると、3位のパレスチナと10位のアルメニアを除きすべての国がアフリカ大陸に位置する国々です。
アフリカ諸国では近代化によって先進国と同等レベルに発展している都市などもありますが、国や地方によってその格差が大きく、貧しい暮らしをしている人々がまだまだ多いのが現状です。
日本は何位?
日本は世界167位です。(2.80%)
全世界で見ても日本の失業率の低さは非常に優秀だと言えます。
とはいえ、新型コロナウィルスの影響が出始めてから、従来までの雇用環境が激変して働きたくても働けない人が増えているのは深刻な問題です。
しかし、今回のランキングの上位のアフリカ諸国と比較すると、日本の場合は職種や待遇に大きな拘りを持たなければアルバイトやパートなど比較的すぐ見つかりますし、ハローワークなど公共の機関が就労支援などもしてくれるため恵まれている環境だと理解できます。
日本と順位が近い国々
日本が167位だったため、世界と比較してどういう国と似たような数値なのかをイメージしやすくするために160位~170位の順位もご紹介します。
160位:クウェート
161位:コートジボワール
162位:エチオピア
163位:アラブ首長国連邦(UAE)
164位:ポーランド
165位:オマーン
166位:北朝鮮
167位:日本
168位:ウガンダ
169位:キューバ
170位:パプアニューギニア
日本と同様な低い水準にコートジボワールやエチオピア、ウガンダなどのアフリカ諸国がランクインしているのは意外ではないでしょうか?
やはり、アフリカといっても数多くの国が存在するため、国によって就労環境がずいぶん違っていると理解することができます。
「アフリカ=貧しい」と一括りでイメージしている方もいるかもしれませんが、実態はまったく違うのかもしれません。
日本以外の主要国の順位は?
失業者数ランキングでは人口の多い国や先進国が上位にランクインしていましたが、失業率ではどうでしょうか?
いくつかの主要な国のランキングを失業率の高い順ご紹介します。
34位:ブラジル
40位:トルコ
58位:カナダ
74位:アメリカ
76位:インド
114位:ロシア
124位:中国
138位:イギリス
143位:インドネシア
149位:韓国
189位:カタール(失業率が一番低い国)
まとめ
前回の記事で「失業者数ランキング」、今回の記事で「失業率ランキング」を見てきました。
分かった点は、人口の多い国は失業者数が多くなりやすい傾向があるが、必ずしも失業率が高いとは限らない!ということです。
基本的にはアフリカ諸国をはじめとした発展途上国で失業率が高くなりやすく、先進国では失業率が低くなっている傾向が強いことが読み取れます。
各国で経済状況や労使関係、民族関係、歴史などさまざまですので、アフリカ=失業率が高いといった単純な視点を持つべきではないといったこともランキングからわかります。
どの統計データもそうですが、傾向を把握した上で例外的なものを把握することが大切だと思います。