日本最大級のキャンプ場検索・予約サイト「なっぷ」を運営する株式会社スペースキーがキャンプ場の予約やキャンセルなどの状況についてプレスリリースを発表しました。
キャンプ場の予約キャンセル率は約90%
4月7日に開始された緊急事態宣言によってキャンプ場は相次いで休業することになり、16日に全国で緊急事態宣言が発出されたことでさらに全国規模の休業が加速しました。
「なっぷ」のサイトにおいては4月27日時点で加盟店のうち64%が休業していたというデータがあります。
そして、39都道府県の緊急事態宣言が解除された後の5月21日時点においても50%の施設が休業を継続せざるを得ない状況になっているようです。
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キャンプ場のキャンセル率の推移
対過去平均 2020年キャンセル率推移[月別]
キャンセル率は、直近3年間の4月の平均キャンセル率を基準とすると、2020年4月は約1.9倍で着地、また5月については約2.2倍にまで拡大しています。
5月は大型連休期間も含め約9割の予約がキャンセルされており、キャンプ場の経営に甚大な影響がでています。
キャンプ場が休業したからユーザーがキャンセル手続きしたのか、逆にキャンプ場は空いていたがユーザーがリスク回避でキャンセル手続きしたのかはプレスリリースでは明確には記載されていないようです。
とはいえ、普段なら5月のゴールデンウィークでキャンプ場は大盛り上がりするはずですが、90%のキャンセルは運営する側にとっても非常に厳しい状況です。
39都道府県の緊急事態宣言解除後のユーザー動向
対昨年 キャンプ場検索・予約サイト「なっぷ」サイト訪問者数[5月2週目・3週目週末]
直近の「なっぷ」サイト訪問者数を昨年と比較すると、5月14日(木)に39都道府県で緊急事態宣言が解除されたことを受け、5月3週目の週末(16日土曜日、17日日曜日)は5月2週目の週末(前週末)よりもサイト訪問者数は回復傾向にありますが、前年の約7割程度にとどまっています。
都道府県別 来場者居住地データ(2019年5月)
2019年5月の「なっぷ」での予約件数の多いキャンプ場所在地上位3県の来場者居住地データをみると、特定警戒区域である大都市圏からの来場者割合が非常に高いことがわかります。長野県、栃木県は県内からの来場者は約1割にとどまり、山梨県においてはわずか5%でした。
キャンプ場は基本的に自然が多い場所に立地している場合が多いため、データを見るとわかるように関東であれば長野や栃木、山梨などに立地が集中しています。
県内の利用客よりも近隣の東京や神奈川、埼玉、千葉などの人口が多い大都市から娯楽として訪れる客層がメインであるため、県をまたぐ移動自粛が掲げられている状況ではキャンプ場の運営が非常に厳しいものとなります。
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営業を再開したキャンプ場の取り組み
休業しているキャンプ場も多いですが、工夫して一部の制限を施しながら営業を続けている施設もあります。
具体的な取り組みとしては、大きく分けて下記3点です。
①ユーザーの受け入れ制限
判断基準を設定した上でキャンプ場へ受け入れるユーザーを限定しています。
②一部施設の利用制限
施設内の温泉やカフェなど飛沫感染リスクがある施設を一部閉鎖しています。
③一部サービスの利用制限
レンタル品の提供停止などにより接触感染を防止する対策を実施しています。
まとめ
新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、単純な旅行だけでなく、キャンプ場の運営にも予想以上の大きな打撃が出ています。
屋内よりも屋外を見直す動きが改めて出てきていますので、ホテルや旅館、航空会社と比べるともしかしたらキャンプ場の回復は早く見込めるかもしれませんが、今回のデータを見る限りまだまだ厳しい状況です。
政府が県をまたぐ移動と、屋外での娯楽活動に関して今後どのような対策や方針を打ち出すかによって展開が大きく変わってくると思います。
公園などもいまだに閉鎖されているところもありますし、規制と緩和のバランスを上手くとって進んでいってほしいと願います。