【2020年】新型コロナウィルスによる全国倒産件数は143件。「宿泊業」の倒産は4月だけで25件で大ピンチ。

新型コロナウィルスによる影響で全国で倒産件数が増加しています。

東京商工リサーチによる統計データを元に現在の全国的な倒産状況と、その中でも危機的状況に陥っている「宿泊業」に焦点をあてたいと思います。

全国の倒産件数(新型コロナウィルスによる倒産)

2020年5月13日現在、新型コロナウィルスの影響による全国の倒産件数は143件になっています。

ここ数か月で倒産件数は急増しており、2月で2件、3月で23件、4月で84件にのぼっています。

5月は13日までの間にすでに34件の倒産が発生している状況で4月と同等以上の数になると予測されています。

都道府県別の倒産件数

都道府県別の倒産件数は下記資料の通りです。

出典:東京商工リサーチ

東京がダントツで多く、次に大阪と北海道となっています。

経済規模や人口が多い地域での倒産が目立ちっていることがわかります。

業種別の倒産件数

業種別では今回特集する「宿泊業」の倒産が一番多くなっています。

宿泊業以外では飲食業やアパレル関連業界の倒産が多くなっており、イメージ通りの結果になっていると言えるでしょう。

「宿泊業」の倒産件数の推移(新型コロナウィルスによる倒産以外も含む)

2020年4月までの倒産件数の推移が下記の資料です。

出典:東京商工リサーチ

4月の倒産件数が25件で、そのうち新型コロナウィルスによる倒産は15件となっています。

月間倒産件数が20件以上になったのは2011年の東日本大震災が起きたとき以来です。

倒産のうち、負債10億円以上の大型倒産が5件、負債5億円以上の中型倒産が6件発生しており、事業規模関係なく経営破綻に陥っていることがわかります。

「宿泊業」の地域別の倒産件数

地域別での倒産件数は下記の資料の通りです。

出典:東京商工リサーチ

東京を含む関東よりも近畿と中部の倒産が多いことがわかります。

倒産件数が急増している理由

「宿泊業」の倒産が目立ちますが、それ以外の業種でも倒産件数が増えてきており、それぞれの倒産理由を整理してみたいと思います。

新型コロナウィルスによってどんな悪影響が出ているのでしょうか?

業界共通の倒産理由

・外出自粛による来店客の減少

・臨時休業による売上減少

・時短営業による売上減少

・消費税増税(8%⇒10%)

・元々資金繰りが厳しく経営が危うかった

・借り入れして凌いでも将来に希望を持てないケース

・政府の補助金や助成金、融資などが間に合わないケースや足りないケース

など。

「宿泊業」の倒産理由

業界共通の倒産理由に加えて「宿泊業」特有の倒産理由は下記が考えられます。

・外国人観光客の大幅な減少

・オリンピック延期

・緊急事態宣言が出ても宿泊業は休業要請の対象にならない(国民には自粛させるがホテルはオープンして凌ぐしかない矛盾した状況)

・県を跨いでの移動や長距離移動が許されない状況

・衛生面の管理やスタッフの健康管理などコストと手間が急増

など。

まとめ

新型コロナウィルスによる緊急事態宣言が解除されつつありますが、まだ予断を許さない状況です。

第2波が予想される中、宿泊業においては旅行に来てもらうようにアピールしづらい状況は続きますし、今までよりは旅行に対して消極的な人が増えるはずです。

国内旅行の回復は比較的期待できたとしても、ここ数年中国をはじめとした観光客が急増していた日本においてはインバウンド需要が大幅に減少し続けることは死活問題です。

宿によっては外国人観光客が80~90%を占めるというところもありますので、長期的に考えると経営を続けるのは容易ではありません。

今後、政府は観光業界にも支援の幅を広げていくと言われていますが、「今は旅行している場合ではない」という世論も強いため宿泊業の倒産はまだまだ増えていく可能性が高いでしょう。

緊急事態宣言が解除されても自粛はまだまだ継続していくべきですが、その中で政府がどのような対策と呼びかけをしていくのか注目していきたいと思います。

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