世界には196ヶ国(海外領土や自治領などの地域も含めると249)あると言われていますが、その中で自殺率が高い国のランキングをご紹介します。
ランキングを見る前にまずは世界で自殺率が高い国トップ10を予想してみてください!
日本は自殺者が多いというイメージがある方が多いと思いますが、今回は単純な自殺者数ではなく人口10万人あたりの自殺者数をご紹介します。
単純な自殺者数ベースのランキングになると人口が多い国が必然的に上位に来やすくなりますが、人口10万人あたりの自殺者数をみることでその国の実態が掴めます。
上位にランクインしているとあまり嬉しくないランキングですが、日本はトップ10に入っているのでしょうか?
※今回の統計データの概要
・各国の人口10万人当たりの年齢調整自殺者数。
・自殺者は自傷を死因とする死亡者。
世界で自殺率が高い国トップ10
ランキング | 国名 | 人数(10万人あたり) |
1位 | 韓国 | 25.40 |
2位 | リトアニア | 20.30 |
3位 | スロベニア | 15.70 |
4位 | エストニア | 15.20 |
5位 | ベルギー | 15.20 |
6位 | ラトビア | 14.90 |
7位 | ハンガリー | 14.80 |
8位 | 日本 | 14.60 |
9位 | フィンランド | 14.40 |
10位 | アメリカ | 14.10 |
出典1:OECD(Organisation for Economic Co-operation and Development )
出典2:GLOBAL NOTE
(※2020年データ)
世界で自殺率が高い国1位は韓国です。
10万人あたり25.40人が自殺しており、2位以下の国と比較してもかなり高い水準です。
韓国は有名芸能人が自殺したというニュースが定期的に流れてきますし、自殺者が多いイメージが強いですがその理由は背景はどこにあるのでしょうか?
韓国の自殺者が多い理由は?
様々な理由や背景はありますが、考えられる主な理由は以下の点です。
・IMF(国際通貨基金)による政策指導を1997年以降に受けた結果、国内の状況が一変し、労働者よりも企業が力を持つようになった
・過酷な労働環境(サービス残業が非常に多い)
・40代が給料のピークで会社に残っても厳しく、独立しても競争激化の中で勝ち抜いていくことが厳しい
・年配者を重んじる文化や女性への固定観念や束縛が強く、それに反した場合のバッシングが非常に激しい(儒教の影響が強い)
・良い就職先に入るための若者の受験戦争が激しいと同時に若者失業率も高い
・高齢者の自殺者数が近年増加傾向にある
上位の国はヨーロッパ諸国が中心
世界で自殺率が高い国2位~10位の国をみてみると、ヨーロッパ諸国が多くランクインしています。
特にバルト三国のリトアニア、エストニア、ラトビアがすべてランクインしていることが特徴的です。
イギリスやドイツ、フランスなどヨーロッパの中で経済規模が大きい国はトップ10には入っておらず、比較的経済規模が小さい国が多くランクインしています。
日本は8位
日本は世界8位です。(数値は14.60)
世界と比較しても日本の自殺率は高いことがわかります。
今回の統計データは2020年ベースのものですが、近年は新型コロナウィルスやスタグフレーション(景気後退と物価高)も重なり金銭的にも精神的にも追い詰められている日本人は増えてきています。
コロナで死亡するよりも、経済状況の悪化などによる自殺者数が増えてしまうことの方が大きな問題になる可能性もあります。
また、男女別でみると、男性よりも女性の方が自殺率が高い傾向にあります。
男性と女性の性別ごとの自殺率のランキングについては下記記事でご紹介しています↓
自殺率が高い国11位~20位(おまけ)
参考までに11位~20位の国もご紹介します。
11位:クロアチア
12位:フランス
13位:アイスランド
14位:スウェーデン
15位:オーストラリア
16位:ニュージーランド
17位:ノルウェー
18位:ロシア
19位:ポーランド
20位:スイス
11位~20位までの国を見てもトップ10同様にヨーロッパ諸国が多くランクインしていることが目立ちます。
ちなみに11位のクロアチアが13.00、20位のトルコが11.10の数値です。
まとめ
世界で自殺率が高い国1位は韓国でした。
世界でもダントツで自殺率が高いのが韓国ですが、アジアの中では日本が韓国に次いで2位で世界でも8位という高い水準です。
世界全体をみるとヨーロッパ諸国の自殺率が高く、トップ10には経済規模がそこまで大きくない国が多いですが、10位以降をみると経済大国も多くランクインしています。
発展途上国など絶対的貧困が課題となっている国は自殺率が低く、先進国など相対的貧困が課題となっている国の自殺率が高くなっていることがわかります。
最低限の生活が保障された国で生まれた方が、食料や水などに恵まれていない国に生まれるよりも自殺する確率が高くなるというのは悲しい現実です。