【病院無料】ブラジルの健康保険制度「SUS(スス)」とは?

ライターのカカドです!

海外に行くとき、短期間の旅行であっても移住であっても、病気にならないか、不安になりますよね。
短期間であれば、日本国内で海外旅行保険に加入しておいて、それを適用できる病院を探す、という方法がよく挙げられますが、
では長期間の滞在では現地の保険制度に加入しておいた方がお財布にも優しい、なんていうこともありますよね。

それでは、ブラジルに行くのであれば予め保険に入っておいた方が良いのでしょうか?病気になったらどこへ行けば良いのでしょうか?
今回は、ブラジルの病院やその保険に関してご紹介します。
おまけ情報として、ブラジルの緊急病院にかかったエピソードもお話ししているので、ぜひ最後まで見ていってくださいね!

ブラジルの健康保険制度「SUS」とは?

ブラジルには、「SUS(スス)」と呼ばれる健康保険制度があります。1990年〜30年以上続いている制度で、ブラジル人の生活に欠かせないシステムです。

「SUS」のメリット

診察や検査、予防接種、医薬品、検査、出産に関連する診察なども無料で提供してもらうことができます。

また、個人では購入しづらい高額治療薬なども、医療機関で手続きさえ踏めば手に入れることができます。他にも、入院が必要な手術も適応範囲内という、無料で医療のほとんどの範囲をカバーできる制度です。

「SUS」のデメリット

診察や検査の予約を入れるのにさえも時間がかかってしまうことがあり、緊急や重症の場合に時間がかかりすぎてしまうというデメリットがあります。
また、指定された医療機関が必ずしも家の近くにあるという訳ではないので、病院への往来が大変なこともあります。

「SUS」を使える公立病院はどこ?

「Unidade de Saúde(ウニダージ ジ サウージ)」と呼ばれる市内にたくさんある診療所に向かいます。
そこで診療してもらったのち、必要があれば専門医の予約を取ることができ、治療や詳しい検査等をしてもらうことになります。

 

「SUS」を利用する方法

そんな「SUS」は、ブラジル人であれば誰でも利用することができます。
特に利用条件はなく、「SUS」が適用される公立病院、また一部の私立病院でもこの保険制度を使って無料で医療を受けることができます。
では、外国人は利用できるのでしょうか?

外国人観光客は「SUS」を利用できるの?

基本的には利用はブラジル人に限られていると考えてもらった方がいいと思います。ですが、外国人観光客でも「SUS」を利用できる方法があります。それは、「CPF」を取得することです。「CPF」さえあれば、緊急の場合に「UPA(ウパ)」と呼ばれる緊急診療所に行くことができます。

外国人観光客が「SUS」を利用する条件「CPF」とは?

「CPF(セーペーエフィ)」とは納税者番号です。あまり聞きなれない言葉ですが、ブラジル人、ブラジルに住む外国人も必ず持つ番号です。
この番号は、銀行口座を開いたり、オンラインで買い物をしたりするときにも必要になり、生涯変わることはありません。

【「CPF」を取得する方法】

出発前 日本国内で取得する方法

東京もしくは名古屋にあるブラジル総領事館で申請することができます。申請費は無料です。

到着後 ブラジル国内で取得する方法
  1. 郵便局へ申請に行く
    まずは「Correio(コヘイオ)」と呼ばれる郵便局に行き、申請費用7.5レアル(約200円)を支払います。「CPF」を取得したい旨を伝え、パスポートを提示した上で、ブラジル国内の住所や電話番号などの個人情報を伝えます。
  2. 納税局へ行く
    郵便局で申請したら、次は「Receita Federal(ヘセイタ フェデラウ)」と呼ばれる納税局へ行きます。このとき、郵便局でもらった領収書を提示し、個人情報の確認をしてもらいます。
    その後、基本的にはすぐに「CPF」の番号が書かれた紙をもらえるので、それを写真を取るなり別のメモをするなり、忘れないようにしましょう。

ブラジルで急病になったら駆け込む「UPA」とは?

「UPA(ウパ)」と呼ばれる「24時間対応の緊急診療所」があり、万が一急病になったら駆け込むことができます。外国人であっても、先ほどの納税者番号「CPF」があれば利用することができます。
ですが、「緊急」が名前についている「UPA」であっても、列ができており診療してもらえるまでにかなりの時間がかかります。少し体調が悪いかな?と思ったら、早めに行きましょう。

ちなみに、「UPA」(緊急診療所)は緊急時に特化されており、
「Unidade de Saude」(診療所)は、緊急でないものがメインです。

まとめ

今回はブラジルの病院やその保険に関してご紹介しましたが、いかがでしたか?
海外に行くとき、日本の健康保険証はもちろん使えず、また健康保険制度も国により全く異なるので、病気にならないか不安になりますよね。

ブラジルでは、こうした情報さえ知っておけば、無料で医療システムを利用することができるので、ブラジルに行こうか考えている人はぜひ参考にしてもらえると嬉しいです。


おまけ

数年前の話になりますが、わたしが緊急診療所「UPA(ウパ)」にかかったときのことを少しだけお話しします。
アマゾン地方に旅行に行って、アマゾンからは遠く離れた自分の住む町に戻ったときのこと。急に腹痛が始まりました。その腹痛は数時間おきに胃を圧迫するような痛みでしたが、無頓着だったわたしは「寝れば治るか」と放っておいてしまいました。
ですが、3日しても治らず、1週間しても治らず..友達に聞くと、「CPFがあるならUPA(ウパ)、使えるよ!」とのことだったので、連れて行ってもらいました。

番号札を取り、待合室で待つこと3時間。やっと医者に見てもらえると思ったら、お腹の状態を確認して一言。
「食べ過ぎです。油っこいものを控えてください」とだけ言われました。
確かに、アマゾンではデンデ油が使われたご飯やアサイーをたらふく食べたな..と反省したのでした。

最新情報をチェックしよう!
>「世界地図の99%を私たち家族はまだ知らない」

「世界地図の99%を私たち家族はまだ知らない」

日本人の私たちは世界の99%以上を知らないはずです。国名や地域名は知っていても現地の経済や文化、生活スタイルなどほとんど理解できていないのが普通です。 一生をかけても回り切れない広いこの世界を少しでも多く知るために日々世界に関するネタを更新中です。将来は世界中に友達ができるように世界一周旅行をするのが夢です!

CTR IMG