世界には196ヶ国(海外領土や自治領などの地域も含めると249)あると言われていますが、その中で所得税率が高い国のランキングをご紹介します。
ランキングを見る前にまずは世界で所得税率が高い国トップ10を予想してみてください!
日本は税金が高いと思っている方が多いですが、個人が負担する所得税は世界と比較するとどれくらいの水準なのでしょうか>
世界で所得税率が高い国トップ10
ランキング | 国名 | 割合(%) |
1位 | ドイツ | 38.91 |
2位 | ベルギー | 38.41 |
3位 | リトアニア | 35.77 |
4位 | デンマーク | 35.35 |
5位 | スロベニア | 33.74 |
6位 | ハンガリー | 33.50 |
7位 | オーストリア | 32.57 |
8位 | フィンランド | 30.16 |
9位 | トルコ | 29.11 |
10位 | イタリア | 29.01 |
出典1:OECD(Organisation for Economic Co-operation and Development )
出典2:GLOBAL NOTE
(※2020年データ)
世界で所得税率が高い国1位はドイツです。
ドイツは税金大国とも呼ばれるくらいですから、所得税だけでなく消費税なども高いです。
その反面、社会が成熟しており高い税金を払うだけの恩恵を市民が受けているとも言えます。
ちなみにドイツの所得税率は累進課税ですが、14%~42%とされており、限界税率は45%となっています。
また消費税にあたる「付加価値税」は19%です(新型コロナウィルスの影響で16%に引き下げ)。
世界の消費税について知りたい方は下記記事をご覧ください↓
上位の国はヨーロッパ諸国が中心
所得税率が高い国2位~10位の国をみてみると、すべての国がヨーロッパ諸国です(※トルコをアジアと分類する場合もあります)。
ヨーロッパの中でもとりわけ北側に位置するヨーロッパが上位にランクインしています。
1位のドイツに限らず、ヨーロッパにおいては高い税率が設定されている分、様々な恩恵が市民に与えられていることが多いです。
例えば、教育費無料や医療費無料、失業手当の給付など様々な側面で誰でも困らないような社会が目指されています。
所得税率が高い国11位~20位(おまけ)
参考までに11位~20位の国もご紹介します。
11位:ルクセンブルク
12位:オランダ
13位:アイスランド
14位:ラトビア
15位:ノルウェー
16位:ポルトガル
17位:フランス
18位:ギリシャ
19位:チェコ
20位:アイルランド
11位~20位までの国を見るとトップ10と同様にすべてヨーロッパ諸国がランクインしています。
ちなみに11位のルクセンブルクが28.95%~20位のアイルランドが24.83%という水準です。
日本は何位?
日本は世界28位です。(数値22.34 %)
ヨーロッパ諸国と比較すれば所得税率は低いようにも思えますが、アジアで見ると日本が1位です。
(※韓国が34位で14.98ですが、中国やその他のアジアの所得税率の順位や数値は不明)
日本は所得税も比較的高いですが、それに加えて一律10%の住民税もありますし、他にも贈与税や相続税、消費税、自動車税、固定資産税などもあります。
さらに株式投資やFXで得た利益にも一律20%の税金がかかっていますし、ビットコインなどの仮想通貨には最大55%の税率(雑所得扱い)が発生します。
2022年現在、日本では所得は上がらずに景気後退しているにもかかわらず物価だけ高くなってしまう「スタグフレーション」に陥っている状況ですが、このような状況がさらに貧困問題を生み出すきっかけにもなっています。
貧困率や最低賃金に関するランキングは下記をご覧ください↓
まとめ
世界で所得税率が高い国1位はドイツでした。
基本的に所得税率が高い国は先進国が多くその中でもヨーロッパ諸国は所得税率の水準が極めて高いことがわかりました。
ヨーロッパ諸国の多くは日本と同様に高齢化の問題に直面していますが、高い税金を納める代わりに手厚い社会システムを提供している点が特徴的です。
日本はヨーロッパ諸国と比較すると所得税率は低いですが、累進課税制度があるため所得が高い人は最大45%の所得税(住民税と合わせて55%)の負担になっています。
消費税率もどんどん上がってきていますし、日本の税システムは貧困層にも富裕層にもあまり恩恵のない状況になっていると言えるかもしれません。