世界には196ヶ国(海外領土や自治領などの地域も含めると249)あると言われていますが、その中で選挙の投票率が高い国のランキングをご紹介します。
ランキングを見る前にまずは世界で選挙の投票率が高い国トップ10を予想してみてください!
2022年7月10日には日本においても参院選の投開票が行われ、投票率は約52.05%で前回の参院選の48.80%を上回りましたが、それでも低水準には変わりない数値となっています。(過去4番目の低さ)
日本においては「選挙に行っても意味がない」、「どうせ何も変わらない」といった思想の人も比較的多く、世界と比べても投票率は低いと言われていますがランキングで見たときにどれくらいの水準なのでしょうか?
※今回の統計データの概要
・議会選挙での登録有権者総数に対する投票数の比率です。
・対象の議会選挙は各国の国家立法機関(日本の国会相当)の選挙で、二院制の場合は下院の選挙のみ対象です(日本の場合は衆議院選挙)。
・投票数には無効票を含みます。
世界で選挙の投票率が高い国トップ10
ランキング | 国名 | 投票率(%) |
1位 | ラオス | 98.02 |
2位 | シンガポール | 95.81 |
3位 | ベトナム | 95.60 |
4位 | ナウル | 95.13 |
5位 | エチオピア | 93.64 |
6位 | ルワンダ | 93.04 |
7位 | マルタ | 92.06 |
8位 | オーストラリア | 91.89 |
9位 | トルクメニスタン | 91.69 |
10位 | アンティグア・バーブーダ | 90.27 |
出典1:IDEA(International IDEA)
出典2:GLOBAL NOTE
(※2021年データ)
世界で選挙の投票率が高い国1位はラオスです。
98.02%ということは100人に2人以外は全員投票に行っていることになります。
上位の国は国土が小さく人口が少ない国が中心
世界で選挙の投票率が高い国2位~10位の国をみてみると、東南アジアやアフリカ諸国の国が目立ちますが、基本的には国土面積が小さく人口が少ない国が多くランクインしています。
例外なのは5位のエチオピアと7位のオーストラリアくらいでしょうか。
経済規模の観点から見ると、2位のシンガポールと7位のオーストラリア以外は発展途上国に該当する国が多いこともわかります。
投票率が高い理由は?
国によって投票率が高い理由は異なりますが、いくつかのパターンをご紹介します。
・選挙の回数が少なく選挙の投票が国民にとってとても貴重な存在になっている
・投票日が必ず休日(祝日)になっていて投票しやすい環境になっている
・投票は国民の権利ではなく義務(投票に行かなかった場合は罰金が科せられる)
・投票所の施設に屋台が並びお祭り感覚で選挙が行われている(例えばオーストラリア)
・代理投票を実質認めている
・選挙委員会が投票を催促して投票率を100%に近づけようと努力している
選挙の投票率が高い国11位~20位(おまけ)
参考までに11位~20位の国もご紹介します。
11位:ウルグアイ
12位:ルクセンブルク
13位:フェロー諸島
14位:ボリビア
15位:セーシェル
16位:ベルギー
17位:ブルンジ
18位:スウェーデン
19位:タジキスタン
20位:トルコ
11位~20位までの国を見てもトップ10同様に国土が小さく人口が少ない国や地域が多くランクインしていることが目立ちます。
ちなみに11位のウルグアイが90.13%、20位のトルコが86.22%の投票率です。
日本は何位?
日本は世界131位です。(投票率は55.97%)
世界と比較しても日本の投票率は低いことがわかります。
今回の統計データは2021年をベースにしているものですが、今後さらに低下する恐れもあると言われています。
先進国と呼ばれる国の中では最低水準の日本ですが、主要国や日本よりも低い国の投票率はどれくらいなのかいくつかご紹介します↓
39位:ブラジル(79.80%)
50位:ドイツ(76.58%)
74位:アメリカ(70.75%)
86位:イギリス(67.55%)
89位:インド(67.40%)
92位:韓国(66.21%)
142位:ロシア(51.58%)
151位:ウクライナ(49.20%)
169位:スイス(45.12%)
194位:ハイチ(17.82%:最下位)
まとめ
世界で選挙の投票率が高い国1位はラオスでした。
投票率が高い国には投票率を上げる仕組みが用意されていることが多いですが、日本もそういった国の取り組みを取り入れることも検討する余地はあるでしょう。
その他、ネット投票をブロックチェーン技術を駆使して行うことで若者世代の投票率は上がる可能性もできるとは思いますが、シルバーデモクラシーの日本においてわざわざ既得権を得ている人たちが不利になるような投票制度を作ろうとするかは別の問題です。
物価高と不景気が同時にやってくるスタグフレーション状態だけでも厳しい上に、少子高齢化や防衛の問題、新型コロナウィルスの対策など課題は山積みの中、我々国民ができることはまずは1票を無駄にせずに投票に行くことです!