みなさんこんにちは。
スペイン在住NSKIです。
今日は日本とスペインの物価や為替、給料などお金関係についていろんな角度から比べてみたいと思います。
ちょっと長くなるかもしれませんが、お付き合いくださいね。
スペインの物価
ユーロ流通の前と後
ヨーロッパでユーロが使われるようになって20年が経ちました。それ以前スペインでは「ペセタ」という通貨が使われていて、100ペセタ88円ぐらいで円の方が強かったです。
1ユーロは166ペセタでした。
ペセタからユーロに移行したばかりの頃は、物の値段は全てユーロとペセタの両方で表示があり、コーヒー一杯1ユーロぐらいでした。
それが今では2ユーロ以上するのが当たり前になりつつあります(スタバは5ユーロ近いです)。
2000年に入った頃、ユーロになって物価が上がる前に持ち家を購入する人が増えてきました。もちろんそれまで住んでいた家を売って、更に大きな家を買う人も急速に増えました。
それに倣うかのように、食料品や衣料品などの生活必需品も急上昇。
「じゃあ給料も上がった?」と聞きたくなりますよね。
「いいえ、給料は別です」
0ひとつ間違ってるんじゃないかと2度、3度価格を見てしまう億ションが都市部には続出。
この物価上昇は、2008年のリーマンショックまで留まるところを知りませんでした。
ロシアのウクライナ侵攻の影響
昨年から世界中でガソリンの値段が高騰していますが、ヨーロッパももちろんそのあおりを受けています。
最近では会社内に自分と同じ地域に住んでいる人がいる場合、交替で車を出し合って一緒に通勤し、ガソリン代を節約するなどの工夫をする人が増えてきました。
先月からテレビでは「今年の冬は毛布をいっぱい用意して寒さに備えましょう」とニュースキャスターが叫んでいます。
影響を受けているのは電気やガスだけではありません。
スペインの食卓になくてはならないオリーブオイル(ヒマワリオイルなどもそうですが)がわずか2か月足らずで倍以上の値段に跳ね上がりました!
スーパーでは5リットルサイズのオイルが売られていますが、ロシアのウクライナ侵攻前は5ユーロほど(700円前後)だったのが、20ユーロ近くになってしまいました。
こうなるといくら好きでもフライばかり作ってるわけにはいきません。
また小麦の値段も上がったため、原料に小麦を使うパン・ビスケット・パスタなどの価格も急上昇です。
視点を変えて見ると、これを機に食生活の改善を始めるといいのかもしれないですね…..
スペインの為替
今年に入ってユーロが高い水準で推移しているので、この夏は3年ぶりに日本に一時帰国する友人がたくさんいました。
この20年円の強い時期もありましたが、ユーロは比較的安定した交換レートを保っています。
何よりも日本の空港や大きな銀行ならスムーズに両替できるのがありがたいです。
コロナ前のスペインでは、「夏の旅行は日本と決めてるんだ!」という声をちらほら聞きました。
日本文化が若者たちの間に浸透してアジアに対する興味や関心が強くなったのが最大の理由ですが、背景にはユーロの強さもあったでしょう。
以前のペセタだと両替の比率が非常に悪く、日本旅行は一生に一度の夢のような旅でした。
日本のコロナ規制が随分緩和されたので、日本を訪れるスペイン人観光客がきっと増えてくると思います。
スペインの給料
2022年のスペインの最低賃金はひと月1050ユーロ、日本円で15万円弱です。
この額が物価に対して見合っているかというと、残念ながら全く見合っていません。
スペインでは多くの家庭が夫婦共働きです。
都心部程その傾向は強く、フルタイムで働く家庭は年々増えています。
一か月の家賃(もしくはローンの返済額)が700~1000ユーロ(10万円以上)あることが多く、一人の給料では払えません。
光熱費や食費など加算していくと、一か月の出費は1200~1500ユーロ(約16万~19万円)になるでしょう。
もちろん住んでいる地域によってもこの数字は変化します。
日本でも東京や大阪と地方とでは違いが大きいので、この数字がすべてではありません。
政府の政策について
スペインは観光大国で、観光収入が国の重要な財源になっています。
長引くコロナの影響でホテルや飲食店を始めとする観光業は大打撃を受けました。
そういった業界を中心に2020年3月~2022年2月まで、政府は月に一定金額を支給したり、保険料を免除するなどの援助を行ってきました。
当初はコロナ収束にそれほど時間がかかるとみられていなかったためか、支給額は10万円近くありました。
ところがコロナのリバウンドが続き、ヨーロッパの国と国の間でさえ規制が厳しく、簡単に行き来できない状況が続きました。
長引くコロナに対して援助額は徐々に減っていき、支給額は月3万を切るぐらいになってしまいました!
それでもワクチンが浸透してきて、市民の生活が少しずつ以前のように戻ってきた今年3月、遂にすべての援助が終わりました。
でも生活が元通りになったからと言って仕事が以前のように戻るわけではありません。
今も失業保険を申請する人で、関連施設は予約が取りにくくなっています。
コロナにより自国に戻った外国人、会社が倒産して失業保険で生活する人、転職を余儀なくされた人など、この2年半の間に人生が180度変わってしまった人は後を絶ちません。
でもバルのテラスはいつもビールを飲む人で溢れかえっているから不思議ですね。
まとめ
現在ロシア上空を飛行することができないため、スペイン・日本間のフライトは最短で18時間前後です(ヨーロッパ乗り継ぎの場合)。
ガソリン代の値上げが著しいのに加えて、飛行時間が以前より2時間程余分にかかるため、当然燃料費も上がります。
円高で日本に一時帰国するのに多少のメリットはあるものの、航空券の値上がりは半端ありません。
行先や渡航時期によってもチケットの値段は変わりますが、年末年始に親子4人で帰国しようと考えた場合、日本円で50万~70万ぐらい見ておかないといけません。
普通に仕事しているだけじゃとても払える値段じゃないですよね。
スペインでも日本と同じタイプの「年末ジャンボ宝くじ」(こちらはクリスマス前)が発売されます。
不景気の時ほど売れ行きが伸びるこの宝くじ。
過去に1等や2等を出した宝くじ売り場は長蛇の列です。
近年はネット注文もできるので、評判の売り場は嬉しい悲鳴を上げています。
クリスマスドリームを願って、今年は一枚買ってみようかな…..