スペインのハロウィンってどんな感じ?みんなで栗を食べるって本当?

こんにちは!スペイン在住歴20年のライターNSKIです。

10月になってどこのお店でもハロウィンの飾り付けが店内やショーウィンドウを飾っていますね。

スペインでも年々ハロウィンのイベントが盛大に行われるようになっています。

そんなハロウィンの陰に隠れるようになってしまいましたが、スペインでも10月31日夜から11月1日は日本のお盆のような期間なんです。

スペインのハロウィンはどんな感じ?

(参照:ディズニープラス

ディズニーが製作した映画「リメンバーミー」を観たことがありますか?

メキシコが舞台になった映画で、10月31日の夜だけあの世とこの世を繋ぐ扉が開いて、死者たちが愛する人のもとに帰ることができるというお話。

でもみんながその人(死者)のことを忘れてしまうと、永遠に葬り去られてしまう、だから一年に一度だけ大好きな人が家に帰ってくることができるよう、いつまでもその人を忘れないでいよう、という心温まるストーリー。

同じようにスペインでも10月31日の夜は死者の魂が戻ってくると信じられています。

翌日の11月1日は、全聖人の日と呼ばれる特別な一日でスペイン全土で祝日です。

カトリックの国では聖人が崇められていて、毎日カレンダーに「今日は聖〇〇の日」と書いてあります。

日本の仏滅とか大安と似たような感じ?

う~ん、ちょっと違うような気もしますが、まあそんなとこでしょう。

皆さんがよく知ってる日だと、2月14日のサン・バレンタイン(聖バレンティン)があります。

ちょっと話が逸れてしまいましたが、11月1日は全ての聖人を祝う日です。

そしてこの前後は日本でいうお盆にあたるので、みんな年に一度のお墓参りに出かけます。

スペインはハロウィンでみんなで栗を食べる?

今から300年ほど昔、10月31日の夜は村の教会の鐘を聞きながらみんな寝ないで愛しい人の帰りを待っていたそうです。

ろうそくや暖炉の明かりしかない中、一晩中起きているのって辛いですよね。

そこで眠らないようにみんなで栗を食べる習慣があったんだとか。

栗を火で燻って、一つずつ剝いて食べる、これ結構時間がかかりますよね。

栗と一緒にワインを飲んで時が過ぎるのを待ったようです。

バルセロナを中心としたカタルーニャ地方やお隣のバレンシア地方ではこれを「カスタニャーダ」と呼びます。

スペイン西部のガリシア地方では「マゴスト」、フランスと国境を接する北部では「ガスタニエーラ」と呼称が違いますが、焼き栗を食べるのは同じです。

私のいるカタルーニャでは焼き栗のほかに、松の実やアーモンドを栗と一緒にすりつぶしてお団子のように丸めたお菓子「パナジェッツ」というものを作ります。

10月31日の夜は、焼き栗とパナジェッツを甘いワインと一緒にいただきます。

でもパナジェッツを家で作るのはかなり手間暇かかるので、売ってるのを買ってくる人が多いかも。

学校でもこの時期のイベントとして、みんなでパナジェッツ作りをします。楽しそう。

栗を売るおばあさん「マリア・カスタニェラ」

近年の温暖化で11月に入っても海で泳いでる人を見かけますが、10月後半ともなれば朝夕は冷えてきます。

日暮れも早くてみんな家路を急ぐ中、街角に栗を売るおばあさん「マリア・カスタニェラ」が出現!!

家庭用バーベキューセットのような機材に栗やサツマイモをのせてじっくり焼き上げる栗とサツマイモは絶品。

日本の焼き栗や焼き芋にも負けません。

売ってる人は別におばあさんでもマリアさんでもないのですが、なぜか昔から栗を売る人のことを「マリア・カスタニェラ」と呼ぶようです。

マリアはスペインに古くから、よくある名前。

カスタニェラは栗を売る人という意味があります。

訳すと「栗売りのマリアさん」???

以前は本当にマリアおばあさんが栗を売っていたのでしょうか?

ちなみに栗はカスターニャといい、カスタニャーダは栗祭りのような意味合いです。

マリア・カスタニェラは黒の長いスカートを履き、黒のエプロンをつけて、頭も黒っぽいストールで覆っています。

10月31日、小さい女の子はみんなマリア・カスタニェラの衣装を着て登校します。

男の子はベレー帽に茶色のベストを着て、昔風のおじいさん(もしかするとマリア・カスタニェラの旦那さん?)になって登校です。

どちらも手には、栗が入った籠を下げています。

見ているだけでほっこりする光景なのですが、それが数年するとオカルト映画顔負けのハロウィンメイクに変わってしまうのはなぜでしょうか…(笑)

まとめ

ハロウィンのイベントは世界各国によって祝い方が随分異なります。

日本にいる私たちはハロウィンといえば「仮装(コスプレ)」して渋谷に集まってワイワイ!みたいなイメージが頭に浮かびますが、スペインでは栗をみんなで食べたり、栗ばあさんが出現したり全く様相が違います。

ハロウィン一つとっても国や地域ごとの文化の違いがあるので、クリスマスやお正月なども全く日本と違う光景が世界では広がっているかもしれませんね!

当サイトでは、世界各国の色んな文化や生活様式、統計データなど様々な観点から皆さまにご紹介していますのでぜひ参考にしてみてください♪

 

 

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