みなさんこんにちは。ドイツ在住13年目のK-Müllerです。
今日はドイツ鉄道(Deutsche Bahn 通称DB)についてお話ししたいと思います。
ヨーロッパというと地続きで電車でいろいろな国に行けたり、国内を旅行できたりと、長距離電車は移動手段としてとてもメジャー。それはドイツでも言わずもがな・・・なのですが、ドイツ国内で電車移動をするときはちょっとだけ注意が必要なんです。
ドイツで特に長距離電車に乗ってどこかに行く計画を立てるときは、大抵2,3時間の余裕を見なければならないことが多いのです。
ドイツ鉄道の問題点
何事にもきっちりかっちりというイメージのあるドイツ。
実は電車に関しては全く真逆なのです。
遅延が多い
2022年のドイツ鉄道の長距離電車における定刻出発率はなんとたったの60%前後!
7月に至っては60%を割って59,9%だったそうです。実に3本に1本が定刻に発着していないことになります。
ちなみにドイツ鉄道では6分までの遅延は定刻扱いになるので、実際はもっと遅れているといってもいいでしょう。
しかも遅れ方が半端なく、ひどいときには2時間以上遅れることも。乗り継ぎがあったりすると目的地に着くのはさらに遅れます。
一応の救済措置として、遅れた場合の乗り継ぎはどの電車に乗ってもOK。60分以上の遅れならチケットの25%、120分以上の遅れなら50%が返還されます。59分だと残念ながら返ってきません。
電車に乗っていても突然止まることは当たり前。
臨時便も基本は出ません(出てもその臨時便が遅れます)。
そうなると近くの乗客同士で顔を見合わせ、またかーとみんなでため息をつくわけです。
突然のホーム変更にキャンセル
さらに遅延だけではなく直前で予告なしにホームが変わったり、キャンセルになったり・・・。
予告なしにホームが変わってそれがまた遠いホームだと、結局間に合わずにさらに次の電車を待つ羽目になったりすることもしばしば。身軽な恰好なら走れば間に合いますが、大荷物や、子供連れとなるとかなり大変です。
また大幅に遅れた挙句に結局キャンセルになったり、天候や車両故障でキャンセルになることもよくあります。
ちなみにこれは今日適当に調べてみた結果。すでに2本遅れて2本キャンセルされていました。
ほぼ毎回といっていい程どこかが遅れるので、DBを使って何か大事な用事に出かける時は、2・3時間前に着く予定の電車で出かけるか、前泊をする人もいます。
時間前行動が身に沁みついているはずの日本人でもあたふたするレベルで遅れるのです。
遅れる理由
遅延orキャンセルになる大きな原因として、ICE(日本でいう新幹線)の専用線路がないことが挙げられます。
在来線と同じ線路を走るので、一つ遅れると連鎖して次から次へと遅れて行ってしまいます。待ち合わせ電車との兼ね合いで関係のない路線まで遅れてしまうこともしばしば。
今回は長距離電車について主に書いていますが、同じ線路を使っているので近距離電車ももちろん遅れます。
遅れる理由は他にも信号障害・急病人・人身事故などもありますが、え?と思うような理由もたまにあります。
過去に遭遇したのは
・線路に牛が侵入した
・運転士が寝坊した
運転士が寝坊した、は車内で失笑がおきていました。
まだまだある問題点
つい先日のニュースに、新しくできた停車予定の駅を通過してしまったというのがありました。実はこれ似たような事例が結構あるようです。
また、違うホームに入ってしまったので一度引き返してホームに入りなおすというのも数回経験しました。
そして空調問題。
ICEだと最近はあまり遭遇しませんが、在来線では真夏に車内は30度を超えているにも関わらず冷房が入っていなかったり、真冬に暖房が入っていなかったりなども頻繁に起こります。
ドイツ鉄道のおすすめポイント
ドイツ鉄道のマイナス面をたくさんあげてしまいましたが、もちろん素敵なところもありますよ!
ドイツならではの景色が楽しめる
なんといっても景色が美しい。
川沿いや山沿いなどを走る電車にのると美しい自然に溶け込むお城や教会など、ドイツならではの景色が楽しめます。
小さいながらも美しい街も多いので、時間にしばられない気ままな旅や、途中下車の旅にうってつけ!
あえて迂回路をとって景色を楽しむ人も多いです。
比較的安く乗車できる
近年はエネルギー高騰の影響もあり乗車賃も値上がりしていますが、それでも早割などを使うと日本に比べる安く乗車できます。
またドイツ鉄道のバーンカード(Bahn Card)会員になると、早割価格からさらに割引されて買えたり、半額で買えたりするのもうれしいポイントです。
外国人旅行者はジャーマンレールパスもあるので、自分に合ったチケットをお得に買うことができます。
初対面の人とも盛り上がれる
ドイツ中にその悪名が知れ渡っているドイツ鉄道。
初対面の人でもドイツに住んでいる人なら”DB”という単語を出すだけで会話に困ることがありません。
同じ電車で遅延に巻き込まれたならもう戦友です。電車で仲良くなって、親友ができた!という人も。
まとめ
いかがでしたか?
大事な用事にドイツ鉄道を使う際には、数時間前行動が必須なのがお分かりになったかと思います。
料金も早ければ早いほど安いので、ドイツ鉄道ご利用の際は早め早めに行動するのがおすすめです。
順調に進むと素敵な景色や出会いが待っているかもしれませんよ!