マルタでは「うさぎ料理」が名物?伝統的な料理やその理由について

今日は、マルタ共和国の伝統料理である、「うさぎ料理」についてご紹介します。

日本ではなかなかお目にかかることが少ない「うさぎ料理」。マルタでは日常的に食べられており、マルタ人からとても愛される家庭料理のひとつなのです。

マルタに行ってレストランに入り、伝統的な料理を頼んだらうさぎが出てきてびっくり!という事にならないように、ご紹介していきますね。

なぜうさぎ料理を食べるのか

マルタでは、ひとりあたり1年間に3キロほどのうさぎ肉を食べるといわれています。

ほかのEUの国々では少ない国では0.1キロ、多い国でも2キロくらいといわれるため、マルタ人は群を抜いてうさぎ肉を食べていることがわかります。

マルタ人がうさぎ肉を食べる歴史は深く、約3600年前にフェニキア人によってうさぎが持ち込まれたことがきっかけとされています。
当時マルタには野うさぎはいなかったのですが、スペインからの遠征の途中、マルタに立ち寄った際に、マルタで新鮮な肉を確保するために持ち込まれたとされています。

ここからうさぎたちはマルタ島内で一気に繁殖していきます。
うさぎ肉は、簡単に入手でき、安価であったことから、地元の食生活の一部になるようになります。
ここからマルタの伝統料理である「うさぎ料理」が始まりました。

主流のうさぎ料理:Stuffat tal-fenek

国民食としてマルタ人から愛される調理法は、うさぎのシチューです。
このシチュー、「各家庭ごとに特別な味がある」ともいわれるほどの家庭料理で、代々各家庭ごとに受け継がれた味があるようです。
レストランでも食べることができ、いちばん有名なうさぎ料理とも言えます。

伝統的なうさぎ料理:Fenek Moqli

たっぷりのニンニクとスパイスが入ったオリーブオイルで揚げて調理されるのがこの料理。
フライドポテトかベイクドポテトが付け合わせとして出されるのが一般的で、焼き立てのパンと一緒に食べます。

 

パスタ×うさぎ:Spagetti tal-fenek

濃厚なトマトソースをベースに、たっぷりのスパイスとうさぎ肉をつかってつくられるスパゲッティ。

地元民から旅行者まで、どんな人の人の口にも合うこのパスタも人気のうさぎ料理のひとつです。

うさぎ料理に合う飲み物は?

うさぎ料理を食べる時は、基本的にビールか白ワインが好まれます。
若い赤ワインを出されることもあり、地元の人には、濃厚な飲み物よりも、サッパリとした飲み物の方が好まれるようです。

ただし、結婚式や祝日のお祝いなど、伝統的な場面でうさぎ料理がメインディッシュとして出てくることもしばしば。

その際には赤ワインと併せて食べるのが、地元民の流儀のようです。

うさぎ肉は健康にいい!

マルタ人に愛されるうさぎ料理。

「我が家は伝統的に、日曜日にはうさぎを食べる」「金曜日の夕ご飯はうさぎ料理と決めている」など、各家庭によって決まっているほど、マルタ人の生活に欠かせない料理です。

ここまで愛されているのはただ単に「美味しいから」だけではなく、「健康的にもいいから」だそうです。

脂身が少ないうさぎ肉は、たんぱく質を多く含み、脂質・炭水化物料はかなり少なく抑えられます。

総合的にカロリー量も少ないので、美味しいけれど健康面にやさしいお肉なのです。

 

もちろんうさぎ料理以外も

「伝統料理と言えど、うさぎはちょっと…」という声が聞こえてきそうですので、お伝えしておきます。

マルタの伝統料理はうさぎだけではありません。

地中海に浮かぶ島ですので、もちろん海鮮料理ははずせません。イタリアも近く、本格的なイタリアンも楽しめます。

マルタの郷土料理もほかにもたくさんあるんあるので、うさぎ料理に抵抗があっても問題なく楽しめるでしょう。

うさぎ料理を出すレストランの人は、「うさぎを食べるなんて信じられない」という声を特に観光客からよく聞くそうです。

しかし彼らは、「じゃあ違うものを頼んでください」とクールな対応を見せてくれます。

伝統を守りつつ、決して無理に押し付けたりもしないマルタ人たち。抵抗がなく、興味がある人は、ぜひ一度トライしてみてくださいね。

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