¡Feliz año nuevo!
明けましておめでとうございます、スペイン在中のNSKIです。
新しい年になりましたが、with コロナはもうしばらく続きそうな気配…..
ヨーロッパの他の国と比べるとスペインのコロナワクチンに対する認識は比較的高いのですが、4回目接種は思ったほどの成果が上がっていないとテレビで報道されています。
今日は海外移住の際に気になるテーマの一つである「保険料」に焦点をあて、スペインの医療保険制度についてご紹介したいと思います。
誰でも加入できる社会保険
スペインでは誰もが生まれたときから社会保険に加入します。
国が発行する、クレジットカードと同じサイズの保険証を常に財布の中に入れておきます。
日本と大きく違うのは、社会保険の場合クリニックと担当医が指定されていること。
緊急時を除いて、健康診断や風邪など比較的軽い症状の病気はまず指定されている担当医の所見を仰ぎます。
そこで担当医が専門医に相談した方がいいと判断すれば、そちらに予約を入れて後日受診する仕組みです。
社会保険と任意保険のメリット・デメリット
社会保険に対して、月々お金を払って加入する任意保険もあります。
どちらの保険も良い点・不便な点があるので順にご紹介します。
社会保険のメリット
一番の利点は、仕事の有無に関わらず生涯使える保険であることです。
働いている間は当然のことながら保険料を納める義務がありますが、仕事を持たない人でも使い続けることができます。
日本の保険のように扶養家族制度ではなく、マイナンバーカードのように「一個人」として登録されています。
外国人でも住民登録さえすれば、権利がもらえます。
受診料は無料
受診料はただ!何割負担とかではなく、支払いは0なんです!
手術ももちろん無料です。
日本では後から戻って来るとは言え、自己負担も大きい出産(そこに至るまでの検診料も含め)の支払いもなし。
薬代のみ何割かの負担になりますが、受診料が無料なのでそれぐらいは払わないといけませんね。
歯医者のみ有料?
ただし、歯医者は違います。
歯医者に保険は利かないので、こちらは毎回支払いに怯えながらの受診です。
歯石除去でも最低50ユーロ(約7.000円)はかかりますよ。
社会保険のデメリット
利点ばかり挙げましたが、当然悪い面も出てきます。
人口が集中している街(地域)では、担当医の予約が入りにくくなっています。
病気で受診しているのに、待合室で1時間以上待たされることも頻繁です。
専門医に相談したいのに、最初に必ず担当医を通してからでないと予約が取れないのも面倒な話です。
しかも担当医の許可をもらってから専門医のところに行くのに、下手をすると半年以上が経過してしまうということも多々あります。
その点、任意保険は全てにおいてスムーズです。
月々一定額払ってでも任意保険に加入している人は、年齢と共に増えていきます(病院に行く頻度が多くなるからでしょうね)。
車の保険や家の火災保険などとパックにすると安くなることから、全部同じ保険会社にすることも珍しくありません。
任意保険のメリット
この保険の一番のメリットは、好きな時に好きな病院を受診できることです。
社会保険のようにクリニックも担当医も決まっていないので、自宅近くにあるクリニックやいきなり大きな病院に行くことが可能です。
社会保険のように、専門医の受診を決めてから半年以上待たされることもありません。
この辺りは日本の医療システムと同じです。
私立病院なので、設備も新しく院内も明るく落ち着いています(社会保険の病院は、古いところが多く常に人で溢れかえっています)。
そしてこちらも支払いは一切ありません。
任意保険のデメリット
任意保険の場合、薬代は全額負担です。
風邪薬程度ならまだしも物によっては値の張る薬もあって、処方箋を持って薬を買いに行く時は内心ドキドキです。
病気やけがで仕事を休む場合、スペインでも医者の診断書を会社に提出しますが、基本的にかかりつけの医者(社会保険の担当医)がサインしたものを出さなくてはなりません。
つまり任意保険を使って治療しても、社会保険の担当医のところに行って診断書を書いてもらう必要があるということです。
この場合は緊急対応してくれるので時間はかかりませんが、面倒な話です。
まとめ
結局のところ、多くの人が任意保険と社会保険を上手く使い分けて生活しています。
さっさと済ませたい案件は任意保険で、治療費がかかりそうなことは社会保険を使います。
その代表例が親知らずの抜歯です。
歯医者は保険対象外と書きましたが、親知らずを抜歯するのは社会保険でできます。
社会保険の中に一応歯の専門医もいるので、痛みのない親知らずであれば社会保険を使う人もいます。
ただしレントゲン撮影はクリニックでできても抜歯は大きな病院でしかできないので、そちらの予約が回ってくるまで辛抱強く待たなくてはなりませんが。