【日本とブラジル比較】物価高に円安。給料上がらないのは日本だけ?現地在住者が語る真実とは?

ライターのカカドです!

海外旅行に行く時、また移住先を考える時、現地の物価って気になりますよね。
今回は、ブラジルの物価、特に2022年4月のロシアのウクライナ侵攻以降の物価についてお伝えします。物価を通して、ブラジル全体の経済面などを知ってもらえると嬉しいです。

ブラジルの物価

そもそもブラジルの物価ですが、一言で言うと「高い」です。

日本の企業で働いて給料をもらっている日本人であれば、高いと感じることはないかもしれませんが、一般的にブラジルの給料と比較して物価は高くアンバランスです。

いくつか価格を紹介します。

  • 水500mL  約50円
  • 野菜(1週間分)  約520円
  • 家賃 約26,000円
  • ガソリン1L  約130円
  • iPhone14 約270,000円

※2022年11月頃の価格です。
※1レアル=26円で計算しています。
※地域により変動します。

 

ロシアのウクライナ侵攻以降、ガソリン代が高くなり、それに伴い全体的に10〜20%ほど価格が高騰、また物価は毎週のように変動しているように感じます。

ブラジルの面積は日本の23倍程度。ブラジル国内各所への輸送はトラックで行われることが多いと言うこともあり、ガソリン代が直接、商品価格へ影響することが分かります。

 

上記の価格は日本の価格と比較して一見高そうには見えないですよね。
ですが、物価の割にかなり給料が低いのです。後ほど「3.ブラジルの給料」でもう少し詳しくご紹介しますね。

ちなみに、「iPhone14」などの輸入品には関税が60%かかることもあり、物価に関係なく海外の製品はブラジルで高く売られています。日本の製品などもブラジルで購入しようとすると、想像していたよりも高いと感じることもあるでしょう。

ブラジルの為替

ロシアのウクライナ侵攻後、ブラジルの通貨「レアル」は、「ドル」「ユーロ」「円」に対して「高くなった」と言えます。他国と比較して、ロシアやウクライナとの関係が薄いことが影響しているためと考えられます。

しかし、ウクライナ侵攻以前、政治の影響でレアルの価格が大きく下がり、そもそもブラジル全体の経済状況も悪かったため、「レアルが高くなった」と言っても、「経済状況が良くなった」と言うことではありません。

また、他国の通貨と比較してレアルが高くなったとは言え、ガソリン代の高騰などの影響で、ブラジル現地の人にとって、商品価格が安くなるなどのメリットがあったとは言えないでしょう。

ブラジルの給料

「1.ブラジルの物価」で見たように、ウクライナ侵攻後ブラジルの物価は上がっていますが、給料は上がっていません。そもそもですが、ブラジルの給料は、ブラジルの物価を鑑みると「かなり低い」と言えます。

例えば、経済の中心地サンパウロ州の最低賃金は1,284レアル。日本円で33,384円です。

※2022年の最低賃金です
※1レアル=26円で計算しています。

そう、毎日8時間働いても、最低賃金は3万円と少し超える程度なのです。
これは家賃を払い、最低限食料品などを買えるくらいのお金です。このような状況で物価が10〜20%上がってしまうと、生活に大きく影響が出ることが目に見えて分かります。

ブラジルは国全体の流れとしては、毎年少しずつ最低賃金が上がっています。例えば、2012年のサンパウロの最低賃金は622レアルでした。それが2022年には1,284レアルとほぼ倍の賃金になっています。なので、日本のように何十年も給料が変わっていないと言うことではありません。
しかし、それでも最低賃金では生活が成り立たないこともあり、ウクライナ侵攻などの世界の情勢に関わらず、最低賃金を上げることが強く求められています。

政府の政策について

それでは、このような物価高や世界的なコロナ禍以降の経済状況悪化の中、ブラジルではどのような政策が行われてきたのでしょうか?ブラジル現地の人からすると、経済状況が悪化する一方で「それに対して経済政策がとられなかった」という印象が強く残っています。

一時、ガソリン代にかかる税金が減らされ、ガソリン代が安くなることがありました。しかし、ガソリン価格が安くなったのが一時的であったことや、大統領選挙前の人気集めのためだと疑われたことなどから、政府に対しては批判的な声が上がっています。

まとめ

ブラジルの物価について、ざっくりとお分かりいただけたでしょうか?

ロシアのウクライナ侵攻の影響で物価が高騰し、にも関わらず給料は上がらず、という状況が続いています。また、その物価の変動はかなり顕著で、1週間毎に価格が変わる、なんてこともあります。日本と比べて商品価格が変わりやすいのです。

そもそものブラジルの国全体の流れとしては、毎年少しずつ給料が上がっています。しかし、その最低賃金は生活がギリギリ成り立つ程度のもので、決して十分とは言えません。

ブラジル国外の企業から給料をもらうのであれば、生活に困ることはないでしょう。しかし、ブラジル国内の企業で働くのであれば、給料条件などを物価と照らし合わせて確認しておくべきと言えるでしょう。

 

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