【ドイツの妊娠・出産事情】ドイツで出産する時にママたちを支える「ヘバメ」とは!?

こんにちは。ドイツ在中歴13年のライター「K-Mueller」です!

今日は、ドイツの妊娠・出産について記事を書いていきたいと思います。

妊娠・出産っておめでたいけれど、新米ママたちにとっては不安なことだらけですよね?

ドイツではそんなママたちを手厚くサポートしてくれるHebamme (ヘバメ)の存在が出産には欠かせません。

一体ヘバメとは何者なのか?

今回はドイツの新米ママたちを支えるヘバメをご紹介したいと思います。

ヘバメとは

Hebamme(ヘバメ)はドイツ語で助産師を意味します。

日本でも助産師さんは妊娠中から分娩、出産後までママたちの力強い味方として知られていますが、ドイツのヘバメシステムはさらにすごい!

まず、ヘバメには主に2種類のヘバメがいます。

産院のヘバメ

分娩の際にお世話をしてくれる助産師。

産院ではシフト制なので担当助産師の希望は基本的には出せません。

ただし、産院のヘバメが訪問ヘバメとして働いていることもあるので、訪問ヘバメとして担当をお願いすることは可能です。

私がお世話になった訪問ヘバメさんも産院のヘバメさんでした

訪問ヘバメ

主に産後退院後から家に来て、赤ちゃんの様子や、ママの体調などを診てアドバイスをくれたり、必要ならばマッサージや、簡単な処置をしてくれます。人によっては妊娠中の症状も診てくれることも。
この訪問ヘバメが本当に産後のママにはありがたいシステムなのです。
この訪問ヘバメシステムに本当に何度も何度も助けられました泣
今回は訪問ヘバメをメインにご紹介します。

自分に合ったヘバメをみつける

まずは妊娠が確定し、母子手帳をもらえる8・9週目あたりからママたちはヘバメを探し始めます。

そう、ドイツでは1人1人自分に合ったヘバメにお世話を頼むのが一般的。

ヘバメの探し方

ヘバメの探し方はいくつかあります。

・インターネットで住んでる地域のヘバメさんを探して連絡

・市役所に問い合わせて市のヘバメリストをもらい連絡

・産院に問い合わせる

・知り合いづてに探す

連絡してOKをもらったら、基本的には一度家に来てもらうか、カフェなどで待ち合わせて顔合わせをします。

相性を確認する

この時に重要なのが、自分の育児方針と、ヘバメの方針が合うかどうかを確認すること。例えばアジア人とドイツ人では育った環境も文化も違いますよね。育児の仕方も様々。柔軟に対応してくれるヘバメなのか、ドイツ式を押し通してくるのか。

そして人には相性というものもあります。一緒にいてストレスがないか、疲れないかなども重要な要素。

また外国人にとっては言葉の問題もありますよね。なれない異国の地でできれば母国語もしくは自分が得意な言語で安心してサポートしてもらいたいと思うのが普通だと思います。ヘバメの中には多言語対応の方もいらっしゃいますし、出身国も様々なので自分の語学に合ったヘバメを見つけることもポイントです。

地域によっては日本人のヘバメもいらっしゃいますよ!

 

顔合わせをして、この人は合わないな・・・と思ったらお断りしても全然OK!

産後はただでさえストレスがかかるので、自分に合ったヘバメを見つけることが何よりも大切です。

5,6回面接してようやく自分に合ったヘバメをみつけた!!という人もいましたよ。

ヘバメシステムのすごさ

訪問ヘバメの主な仕事は産後、自宅に帰ってから始まります。

ドイツは産後の入院期間は平均3日!

3日目の検診で母子ともに問題なしと判断されるとポイっと自宅に送還されちゃいます。

体はボロボロ、産院で多少の母乳指導はあるとはいえ上手くいかない母乳育児(ドイツは母乳推奨国)。

赤ちゃんのお世話も正解がわからず不安でいっぱい。

そんなママのところに退院日、遅くても次の日には訪問ヘバメが訪ねてきてくれます。

生後10日まで

退院前、もしくは退院後にヘバメに連絡をすると、来る日時を調整してくれます。

基本的には先に書いたように退院日、遅くても次の日には来てくれます。

そこからなんと生後10目まで毎日訪問!

毎日赤ちゃんの体重、へその緒の状態、母乳(ミルク)の飲み具合をチェック。

ママも毎日血圧を計ってもらい、分娩後の体の戻りも触診してもらいます。

不安なことがあればなんでも相談してOKです。母乳がうまくあげられなかったら、コツを教えてくれたり、乳腺炎にならないようにケアしてくれたり、簡単な産褥運動やベビーマッサージを教えてくれたりします。

パパからの質問ももちろんOK。新米パパ・ママの心強い味方です。

ちなみにドイツでは硬水&乾燥もあるからか、沐浴は少なくても生後1週間後からとのこと(人によります)。

それまでは毎日体を拭いてあげるのですが、拭き方や、その後の沐浴指導もすべてマンツーマンでしてくれます。

生後12週まで

生後10日までの毎日の訪問の後も、ママたちは不安でいっぱい。

安心してください、まだまだヘバメの手厚いサポートがあります。

ヘバメは必要なら生後12週まで計16回来てもらうことが可能です。

小児科の検診まで赤ちゃんの様子を診てもらいたいと思ったり、母乳トラブルなどがあった場合、連絡すると予定を調整して来てくれます。

うちの子は生後2週間で低体重診断だったのでヘバメさんの訪問でかなり精神的に助かりました。

1歳になるまで

生後3か月のあともママには新しいことがいっぱい。

乳腺炎になったり、子供の発達に不安があったり、離乳食をどう進めればいいかわからなかったり。

そこでもヘバメの出番です。

生後12週目以降、1歳になるまでの間にさらに計8回来てもらうことが可能です。

必要に応じて連絡すると、また予定を調整して訪問してくれます。

 

1年のサポート費用

こんなに手厚いサポートならやっぱりお金がかかって頼めないのではないか・・・?

いえいえ、実はすべて保険適用なのです。

しかもドイツの医療は基本的に保険料のみなので実質感覚的にはタダ!

上記はすべて保険の適用範囲というだけで、そんなに頻繁にこなくても大丈夫そうという場合は少ない訪問で済むこともあります。実際にはヘバメと直接話し合って訪問日や訪問回数が決まります。

うちの場合、5か月ごろに離乳食スケジュールを相談して以降、1度も訪問をお願いしていません。

ヘバメ減少問題

新米パパ・ママを救ってくれるヘバメ。ですが近年は給与面の問題からか、成り手が少なくなっているそうで、特に都市部ではなかなかヘバメが見つからないという問題が起きています。

場所によっては、母子手帳をもらう前、検査薬で陽性が出た時点で探さないと見つからないという人もいます。

ヘバメを探す場合は早め早めに行動しましょう。

まとめ

いかがでしたか?

さすが医療の国ドイツ。

里帰り出産ができるとは限らない現代で、ヘバメは産褥期の体も精神もボロボロなママのまさに救世主。

ヘバメが訪問してくれることで、家族みんなが安心して赤ちゃんとの生活を送れそうですよね!

最新情報をチェックしよう!
>「世界地図の99%を私たち家族はまだ知らない」

「世界地図の99%を私たち家族はまだ知らない」

日本人の私たちは世界の99%以上を知らないはずです。国名や地域名は知っていても現地の経済や文化、生活スタイルなどほとんど理解できていないのが普通です。 一生をかけても回り切れない広いこの世界を少しでも多く知るために日々世界に関するネタを更新中です。将来は世界中に友達ができるように世界一周旅行をするのが夢です!

CTR IMG