こんにちは!
メキシコ在住ライターのGomariです♪
最近、ニュース等で世界的なインフレについてよく見聞きするようになりましたよね。
日本に住んでいらっしゃるみなさんも、物価の高騰などを実感することが少なくないのではないでしょうか。
そして、「今の海外の状況って、実際どうなの?」と、気になりませんか?
そこで本日は、メキシコのインフレ状況についてお話ししたいと思います。
メキシコの物価
貧富の差が大変激しいメキシコでは、生活エリアによって物価も大きく異なります。
ローカルな生活エリアを見てみると、市場にはあまり質の良くない肉や野菜などが並べられ、電気ガス水道といったライフラインは供給が不安定、治安は悪く、家屋は古くて壊れている箇所が多かったり設備が不十分だったりしますが、その分、食料品や日用品の価格、電気ガス水道代、家賃等は非常に安くなっています。
しかし、こうした生活エリアで暮らす日本人はかなり少ない…というか、ゼロと言っても過言ではないと思います。そこで今回は、日本人を始めとした外国人が多く住む、メキシコにおいては中流〜上流に位置付けられる生活エリアの物価を見ていくことにします。
さて、そんな我々外国人が暮らす生活エリアにおいては、メキシコの物価は、総じて日本よりも高いと感じます、以下、具体的なところをご紹介していきます。
食料品
比較的安く、例えば、今日の大手スーパー広告を見てみると、たまねぎ1キロ33.9ペソ(約243円)、メキシコ特産物として有名なアボカドにいたっては1キロ26.9ペソ(約193円)と安価です。
他方、輸入ものの食料品を見てみると、アメリカ産アスパラは1キロで150ペソ(約1,078円)、アメリカ産ほうれん草は180グラム入りのパックが128ペソ(約920円)とかなり高価です。日本産の山芋も売られていますが、1キロで700ペソ(約5,034円)越えという超高級品なので、なかなか購入できません(笑)。また、ベーコンやウインナーといった加工肉は、250グラム入りパックで150ペソ(約1,078円)前後するものが多いです。
電気代
メキシコの電気代は、夫婦2人暮らしの筆者宅で月1,000ペソ(約7,192円)です。日本で生活していた時と比較して、電気を使用する機会はそう変わっていないので、日本ではだいたい月3,000円くらいだったことを考えると、かなり高いと感じます。
※日本の2人暮らしの平均の電気代は9000円なので、我が家は元々あまり電気を使わないタイプに該当するかもしれません!(笑)
外食費
一番物価の差を感じるのが、外食です。
激安グルメとされるローカル屋台のタコス3個と500mlジュースのセットで100ペソ(約719円)程度、カフェでサクッとランチしただけで300ペソ(約2,157円)程度、レストランでお酒も楽しみながらディナーとなると1,500ペソ(約10,788円)程度になってきます。
もちろん、高級なお店だともっともっと高くなります。そしてここにチップが乗ってくるのです…。私の金銭感覚によるところが大きいのかもしれませんが、「結構お高くないか…?」と感じています。日本に一時帰国した際、飲食店の料金設定の安さにいつも感動します。
このように、もともと物価の高かったメキシコですが、最近では、世界的なインフレを背景に、物価上昇に歯止めがかからない状況となっています。ふだんの生活の中でも、「あれ、この野菜、この前よりも値段が上がっている…。」などと、物価上昇を感じることが少なくありません。
メキシコの為替
世界最大の経済大国であるアメリカと隣接するメキシコ。その地理的な条件に加えて、アメリカと比べて人件費が安いことから、アメリカの企業を積極的に誘致したり、メキシコで製造した自動車といった多くの製品をアメリカへ輸出するなどしてきており、アメリカとの結びつきがとても強く、その分、アメリカの景気や両国の関係性が経済に大きく影響を与えるのが特徴です。そうしたところ、昨今のアメリカ景気拡大、現在の両国の関係性が悪くないという状況下、メキシコの景気は好調となっています。
さらに、産油国であるメキシコは、ロシアのウクライナ紛争以降、世界的な資源高の恩恵も受けています。
こうしたことから、ここ半年ほどでメキシコ通貨ペソ相場はどんどん上がってきており、現在の為替は1ペソ=7.19円となっています(2022年11月15日現在)。
筆者がメキシコに引っ越してきた2021年4月の為替が1ペソ=約5.5円だったことを考えると、かなりの速度で為替が変動していることがよく分かります。
メキシコの給料
では、これだけ景気が良くなっているのなら、メキシコ全体でお給料も上がっているのでは?と思われるのではないでしょうか。筆者も気になったので、身近なメキシコ人のお友達に聞いてみました。
全員から返ってきた答えは「いいえ」でした。
最近、料理の値段設定を上げた飲食店経営のお友達に聞いたところ、「原材料の価格が上がったから、提供する料理の値段も上げるしかないんだ…。」とのことでした。景気が良くなり、街中の物価も上昇したのですが、それがすぐに賃金上昇に直結するというわけではなさそうです。
政府の対応
メキシコ政府は、昨今の物価上昇を受け、インフレ率上昇抑制策を発表しました。物価上昇を防ぐ目的で民間企業と協力し、食品を中心とした24品目の価格上昇を抑制するというものです。
メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は「インフレ上昇は、経済的に困難な立場にある人々に最も影響を与える」ため、食品価格の上昇を防ぐ対策が急務であるとして、今回の政策に踏み切ったようです。
この発表に対し、大手スーパーマーケットチェーンであるウォルマート・メキシコ、製パン最大手であるグルーポ・ビンボ等、多くの民間企業が政府への協力を表明しました。さらに、通信事業最大手テルメックスとテルセルも、2022年内に通信料の値上げは行わないことで合意したと発表しました。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は、メキシコに住んでいて実際に感じるインフレ状況についてお話ししました。
給料は変わらないのに、物価はどんどん上がっていく。政府も対策を打ち出してくれてはいるものの、なかなかその効果を感じられずにいるのが現実です。1日でも早く、状況が好転してくれることを祈るばかりです…。