ドイツのクリスマスを徹底解剖!11月から始まり、終わりは1月?

メリークリスマス!ドイツ在住ライターのK-Muellerです。

12月といえば世間はクリスマス一色。
それはここドイツでももちろん同じですが、ドイツのクリスマスは日本とはちょっと違っているところもあります。今日はそんなドイツのクリスマスを徹底解剖しちゃいます!

11月中旬ークリスマスマーケットの始まり

ドイツでクリスマスといえばクリスマスマーケット!
最近は日本でもクリスマスマーケットを開いている都市もあり、わりとメジャーなクリスマスのイベントなのではないでしょうか。

ドイツのクリスマスマーケットは、街によって開かれる時期に若干の誤差がありますが、大体11月の中旬からクリスマス前の12月22日、23日まで。長いところだとそのまま新年まで開かれているところもあります。

実際ドイツのクリスマスマーケットってどんなものなのでしょう。

寒さに沁みるGlühwein(グリューヴァイン)

Glühen 灼熱する・燃え上がる
Wein ワイン

言わずもがな、ドイツのホットワインです。
基本的には赤ワインに甘味+シナモンなどのスパイスを入れて熱したものですが、最近では白ワインバージョンがあったり、ウィスキーやアマレットをたらしたりと年々種類もふえてきています。

そしてドイツのホットワインの最大の醍醐味はマグカップ。
街によってデザインも違い、とにかく可愛い!!
ホットワインを買うときにマグカップのデポジット代として2,5€程プラスして払うのですが、マグカップが欲しい場合はそのまま返さず持ち帰ることができます。つまり2,5€で可愛い限定マグカップが買えちゃうのです。

左がケルン、右がハンブルク

街によって全くデザインが異なるだけでなく、お店によっても違う上に、年によっても変わってくるのでコレクターも多く、お土産にする人も。

ちなみに子供用にはKinderpunschと呼ばれるホットジュースがあるので子連れでも安心!

屋台で心もお腹もいっぱい

クリスマスマーケットはいろいろなお店が出ていますが、もちろん食べ物もいっぱい!
ソーセージやステーキ、ジャガイモをすりおろして小麦粉と混ぜてあげたポテトケーキ、マッシュルーム炒めなどのお惣菜系から、クレープ、甘いソースのかかった蒸しパンのようなおやつまで種類も豊富。地域によっても出ている屋台が違うので、この時期のドイツ人たちはクリスマスマーケットめぐりで大忙し!

可愛い雑貨も目白押し

もちろん食べ物だけではありません。可愛いクリスマス雑貨や、ガラス細工、キャンドル、紅茶やはちみつ、仕掛けおもちゃのお店など様々なジャンルのお店が並び、子供も大人も目をキラキラさせて覗きこみます。
ここでクリスマスプレゼントを買ったり、ツリーに飾るオーナメントを買ったりウィンドウショッピングをしたり。みて回るだけでも楽しいお店ばかりです。

スケートリンクや移動遊園地も併設

大きめの都市になると広場にスケートリンクや移動遊園地が併設され、子供たちがこぞって遊んでいます。
私が以前住んでいた町ではなんと本物のポニーに乗れるブースもありました。

 

朝8時過ぎにようやく明るくなりはじめ、夕方5時前には真っ暗になってしまうドイツの12月。
クリスマスマーケットのキラキラした雰囲気は、暗いドイツの冬を吹き飛ばしてくれる暖かい魅力があるのです。

 

11月下旬ーアドヴェントの始まり

最近日本でも聞かれるようになったアドヴェントという言葉。
実はこれはドイツ発祥ってしっていましたか?

アドヴェントとは

12月25日のクリスマス本番に向けての4週間のことをAdvent(アドヴェント=待降節)といい、ドイツ人にとっては1年で最も大切でウキウキする4週間になります。日本では12月は新年に向けて忙しくなりますが、ドイツではこのクリスマスまでの4週間がいわゆる師走時になるのです

アドヴェンツ・クランツ

Kranz(クランツ)とは花や小枝を編んで作った輪のこと。つまりクリスマスリースのことです。
ドイツではこのクリスマスリースに4つのろうそくを立てて食卓に飾ります。

そしてクリスマスからさかのぼって4つ前の日曜日を”第1アドヴェント”といい、ろうそくを1つ灯します。
次の日曜には2本、その次には3本、さらにその次に4本のろうそくすべてが灯ったらクリスマスはもう目の前なのです。

ちなみに2022年の第1アドヴェントは11月27日でした。
その前にお花屋さんでアドヴェンツクランツを買ったり、親子で作ったりとアドヴェント前から準備でわくわくするのがドイツのクリスマスなのです。

12月ーアドヴェンツカレンダー

12月に入ると、アドヴェンツカレンダーを毎日開けるという楽しみができます。

これは12月1日から24日までの24の数字が扉(窓)になっているカレンダーです。
毎日その日付の数字の文字を開けて、開けたところにあるイラストを楽しみにしたり、出てくるものを楽しみにしたりするのです。

メジャーなのはチョコレートのアドヴェントカレンダーですが、チョコレートだけでなく、紅茶のアドヴェントカレンダーや、化粧品のアドヴェントカレンダー、おみくじクッキーの入ったカレンダーや、本屋さんでは小さな絵本の入ったものや、ちょっとしたおもちゃの入ったカレンダーまで多種多様。

子供はもちろん、大人もわくわくしながら毎日たのしみにしています。

12月6日ークリスマス前にサンタさんがくる!?聖ニコラウスの日

ドイツでは子供たちは実は2回プレゼントをもらえるのです。
その1回目が12月6日の聖ニコラウスの日
サンタクロースのモデルになったと言われるのがこの聖ニコラウス。

12月5日の夜にドアや玄関の前に長靴やお皿を置いておくと、よい子には聖ニコラウスがやってきて、お菓子やみかん、クルミなどを長靴やお皿の上においていってくれるというもの。
もちろんこれは親が用意するのですが、玄関の前においていたりすると近所の人が入れてくれたりもします。

なので子供たちの中には12月5日に一生懸命長靴を磨いている子もいます。

では悪い子には・・・・?実は聖ニコラウスと対になるKnecht Ruprechtというのがやってきて、子供をたべちゃう、日本のナマハゲ的な逸話があったり、お菓子の代わりに灰を置いていくといわれたりしています。

なので子供たちはワクワクドキドキ。お菓子が入ってますようにと祈りながら眠りにつくのです。

クリスマス本番間近ークリスマスツリーを用意する

クリスマスツリーも実はドイツ発祥といわれています。
諸説ありますが、もともとは古代ゲルマン民族の冬のお祭りで使われていた樫の木。
この樫の木をモミの木に変えてその三角形をキリスト今日の三位一体説に当てはめたのがクリスマスツリーなんだとか。フライブルクのパン職人たちが聖霊救貧院に飾ったのが始まりとされています。

クリスマスツリーは日本でも飾る家庭が多いかと思いますが、みなさんいつ頃から出しますか?
11月中旬~下旬、または12月初めあたりには出して、クリスマスまで楽しむという方が多いのではないかと思いますが、実はドイツでは伝統的には12月24日のクリスマスイブに飾るものなのだそうです。

12月中旬になると街から少し離れた農場などでモミの木が販売され、購入したら家の外に置いておき、12月24日の夜に家の中にいれて飾りつけをする、というのが伝統的。

ただ、やはりキラキラ素敵なツリーは長く楽しみたいということで、12月上旬から飾りつけをする人も現代では多いようです。

12月24日~26日ークリスマスは3日間!?

いよいよクリスマス本番!
日本ではクリスマスといえば恋人とすごしたり、友達とパーティーしたりというイメージですが、ドイツでは家族とゆっくり過ごすのが伝統。ちなみに新年は逆に友人と騒いだりするので日本とちょうど真逆になります。

12月24日はHeiliger Abend(聖なる夜)と呼ばれ、教会にミサに行く人も多くいます。
そして日本と一番違うのは、24日の夜にプレゼントを開けてしまうということ。
日本だとよい子にサンタがきて、25日目覚めたらプレゼントが置いてありますが、12月6日にニコラウスがきているドイツでは24日のプレゼントは家族から
クリスマスツリーの周りにプレゼントを置いて、家族でゆっくりしているときに開けてみんなで楽しむのです。

12月25日そしてなんと26日がクリスマスの祝日。
2日間家族でのんびり過ごすのがドイツ風。

1月6日ークリスマスが終わる日

もともとクリスマスとはイエス・キリストの生誕祭。本番は12月24日、25日ですよね。
ですが実は年をまたいだこの1月6日もとても大事な日なのです。
この日は“Heilige Drei Könige”とよばれる”東方三博士の日

イエス・キリストが生まれると予言した占星術者が星に導かれ、その生誕を祝いに来たのが1月6日とされており、イエスが救世主として祝福された重要な日になります。

24日に飾り付けたクリスマスツリーは実はこの1月6日まで飾られ、1月6日以降に市が一斉に回収してくれようやく長いクリスマスシーズンが終わりを告げるのです。

まとめ

いかがでしたか?
意外と知られていないドイツ発祥のクリスマスイベントや、日本のクリスマスとは違う習慣がいろいろあったかと思います。ドイツ人が最も大切にしているクリスマスシーズン。
機会があったら是非現地で体験してみてはいかがでしょう。

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